NISAで投資信託を選ぶチェックリスト — S&P500とオルカンで迷ったら
結論:S&P500かオルカンを軸に、自分で納得して選ぶ
NISAで最初に投資信託を選ぶなら、私はS&P500連動の投資信託と全世界株式、いわゆるオルカンを並列の候補として考えます。
どちらか一方だけが正解というより、どちらも長期投資の中核にしやすい商品です。実際、私は両方に投資しています(笑)。
重要なのは、誰かが勧めているから買うことではありません。投資は、自分で調べ、自分で納得し、自分で判断することの繰り返しです。最終的には、皆さん自身が納得できる商品に投資するようにしましょう。
証券会社より、商品そのものを見る
楽天証券でもSBI証券でも、主要な低コスト投資信託は購入できます。
証券会社ごとに独自の投資信託やポイント制度はありますが、初心者が最初に重視すべきなのは、証券会社名ではなく投資信託そのものの中身です。
確認したいのは次の項目です。
- 何に投資する商品か
- どの指数に連動するか
- 信託報酬はいくらか
- 純資産総額は十分に大きいか
- 長期で資金流入が続いているか
- 実質コストは高すぎないか
- 自分が納得して持ち続けられるか
証券会社のキャンペーンやポイント還元は、あくまで補助的な要素です。投資信託は長く持つ商品なので、口座の使いやすさよりも、商品設計とコストを優先して確認します。
NISAで投資信託を選ぶチェックリスト
投資信託を選ぶ前に、最低限次の項目を確認します。
| 確認項目 | 見る理由 | 私の基準 |
|---|---|---|
| 投資対象 | 何に投資しているかを理解するため | S&P500または全世界株式を中核候補にする |
| 購入時手数料 | 買った瞬間のコストを避けるため | 無料、ノーロード |
| 信託報酬 | 長期のリターンを削るため | 原則0.1%未満を重視 |
| 実質コスト | 表面上の信託報酬だけでは足りないため | 運用報告書で必ず確認 |
| 純資産総額 | 継続性・運用効率を見るため | できれば5,000億円以上 |
| トータルリターン | 分配金ではなく総合成果を見るため | 同種商品と同期間で比較 |
| 長期で持てるか | 下落時に売らないため | 自分で説明できる商品だけ買う |
このチェックリストを通すと、候補はかなり絞られます。むしろ、最初から多くの商品を比較しすぎない方がよいです。
S&P500とオルカンはどう選ぶか
S&P500とオルカンの違いは、ざっくり言えば次の通りです。
| 商品タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| S&P500 | 米国大型株中心。米国企業の成長に強く乗る | 米国経済・米国企業の優位性に納得できる人 |
| オルカン | 全世界株式。米国を中心に先進国・新興国へ分散 | 米国以外も含めて広く持ちたい人 |
オルカンは「全世界」といっても、時価総額加重平均のため米国株の比率が大きくなります。つまり、S&P500とオルカンは完全に別物というより、上位構成銘柄にはかなり重なりがあります。
だからこそ、どちらを選んでも大きく間違える可能性は低いと考えています。
判断軸は「何を重視するか」
選び方に迷ったら、次の質問で整理します。
- 米国企業の成長をより強く取りに行きたいか
- 全世界に広く分散している安心感を重視するか
- 信託報酬の低さをどこまで重視するか
- 過去のトータルリターンを重視するか
- 下落時にも納得して持ち続けられるか
私は、どちらか一方だけを絶対視する必要はないと思っています。迷うなら両方を保有してもよいです。ただし、両方買えばきれいに分散できるというより、米国株への重複が増える点は理解しておきます。
詳しくは「S&P500 vs オルカン、どちらを選ぶべきか」でも整理しています。
買ってはいけない投資信託
NISAでは長期で保有する商品を選ぶべきです。非課税枠を使う以上、短期で乗り換える前提の商品や、コストが高い商品は避けたいところです。
私は次のような投資信託は、初心者にはおすすめしません。
1. 毎月分配型
毎月分配型は、毎月お金が入ってくるように見えるため魅力的です。しかし、分配金の一部が元本払戻金である場合、実際には自分の資産を取り崩しているだけのことがあります。
長期の資産形成では、分配金の見た目よりもトータルリターンを確認します。
詳しくは「毎月分配型投資信託を買ってはいけない理由」で解説しています。
2. 購入時手数料がある商品
購入時手数料がある投資信託は、買った瞬間にマイナスから始まります。
現在は、購入時手数料が無料の低コストインデックスファンドが多くあります。あえて購入時手数料を払う理由が説明できないなら、選ばない方がよいです。
3. 信託報酬が高い商品
信託報酬は、保有している間ずっと差し引かれるコストです。
私は中核にする投資信託では、原則として信託報酬0.1%未満を重視します。0.1%を超える商品を選ぶ場合は、そのコストを払ってでも保有したい理由があるかをかなり厳しく見ます。
以前は0.1〜0.2%程度まで許容範囲と考えていましたが、S&P500やオルカンの主要商品が十分に低コスト化している現在、初心者が最初に選ぶ中核商品としては、より低コストな候補から見る方が自然です。
4. 純資産総額が小さい商品
純資産総額が小さい商品は、運用効率や繰上償還の可能性を確認する必要があります。
私はかなり保守的に、純資産総額5,000億円以上を一つの目安にしています。もちろん、5,000億円以下だから必ず悪いわけではありません。ただ、NISAで長期保有する中核商品なら、すでに多くの資金が集まり、運用実績も確認しやすい商品を優先したいです。
5. テーマ型ファンド
テーマ型ファンドは、その時点で人気のテーマへ集中投資する商品です。
AI、半導体、インド、宇宙、脱炭素など、テーマ自体が魅力的に見えることはあります。しかし、今人気のテーマが半年後、1年後も同じように評価されているとは限りません。
長く続くトレンドだと自分で確信できるなら検討余地はあります。ただし、初心者がNISAの中核に置く商品としては、テーマ型よりも広く分散された低コストインデックスファンドを優先した方がよいと考えています。
迷ったときの選び方
迷ったときは、次の順番で考えます。
- 毎月いくら積み立てるかを決める
- S&P500かオルカンを候補にする
- 購入時手数料が無料か確認する
- 信託報酬と実質コストを確認する
- 純資産総額と資金流入を確認する
- トータルリターンを同期間で比較する
- 自分が納得して持ち続けられる方を選ぶ
ここまで確認しても迷うなら、半分ずつ買うのも選択肢です。投資は始めてから学ぶことも多くあります。
ただし、よく分からないまま大きな金額を入れる必要はありません。最初は少額で始め、慣れてから積立額を増やせば十分です。
まとめ
- NISAの中核商品は、S&P500かオルカンを並列候補として考える
- どちらを選んでも、長期では極端に大きな差が出るとは限らない
- 証券会社より、投資信託そのものの中身・コスト・規模を見る
- 購入時手数料無料、低信託報酬、十分な純資産総額を重視する
- 毎月分配型、購入時手数料あり、高コスト、小規模、テーマ型ファンドは避ける
- 最終的には、自分で納得して持ち続けられる商品を選ぶ
参考リファレンス
関連記事
投資信託の目論見書・月報の読み方 — 初心者が確認する7項目
投資信託を選ぶ前に、交付目論見書・月報・運用報告書のどこを読むべきか。構成銘柄、純資産総額、購入時手数料、信託報酬、実質コスト、トータルリターン、シャープレシオを確認する手順を解説します。
投資初心者が最初の30日でやること — 1,000円のNISA積立を動かすまで
投資初心者が最初の30日で完了したい手順を、楽天証券・楽天銀行・NISA・クレカ積立の設定順に解説。最初は月1,000円のS&P500投資信託から始め、判断ではなく継続できる仕組みを作ります。
新NISAを始めた後にやってはいけないこと — 初心者が個別株を買う前に
新NISAを始めた初心者が避けたい失敗を、筆者の個別株・レバナス・細かな売買の経験から解説。SNS銘柄、高配当・株主優待だけでの選定、過大投資、短期売買を避ける判断基準を整理します。
長期で積み立てる前提なら、差が出るのは商品そのものより、何を重視して選んだかです。信託報酬、トータルリターン、純資産総額、地域分散、米国比率。自分の判断軸に合う方を選べばよく、迷うなら両方持つのも現実的です。