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新NISAを始めた後にやってはいけないこと — 初心者が個別株を買う前に

2026年6月11日12 min read
本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

初心者へ一つだけ伝えるなら「最初から個別株を買わない」

投資を始めると、すぐに個別株を買いたくなります。

SNSで話題になっている銘柄、株主優待が魅力的な会社、高い配当利回りが表示されている株。投資信託よりも自分で選んだ実感があり、うまくいけば大きく利益を出せそうに見えます。

しかし、初心者へ一つだけ「やめておけ」と伝えるなら、私は最初から個別株を買うことを挙げます。

理由は、個別株が必ず損をするからではありません。初心者には、良い判断か悪い判断かを評価するための比較対象がまだないからです。

まだ証券口座や積立設定を作っていない場合は、先に「投資初心者が最初の30日でやること」を確認してください。本記事は、自動積立を始めた後の失敗防止ガイドです。

個別株を判断するには比較対象が必要

個別株を買う前には、少なくとも次の項目を比較します。

  • 日々どの程度値動きする銘柄なのか
  • 過去の上昇率・下落率は、同業他社と比べてどうか
  • 時価総額はどの程度で、企業規模に見合う値動きか
  • どの事業が利益を生み、今後も継続できるか
  • 売上・利益率・成長率は競合と比べてどうか
  • 株価が下がったとき、買い増すのか売却するのか

一社しか見ていなければ、その会社のPERが高いのか、利益率が低いのか、株価変動が激しいのか判断できません。

初心者が個別株を買う問題は、知識不足そのものより、判断に必要な基準を持たないまま金額を入れてしまうことです。

あら。
最初の個別株投資は、会社を理解しないまま買ったものでした。見ていたのは株主優待と配当利回りくらいです。比較対象がなかったので、その銘柄が良いのか悪いのかも判断できていませんでした。

個別株を買うこと自体が悪いわけではありません。問題は、値動き・企業規模・事業内容・利益水準を他社と比べられない段階で買ってしまうことです。株価が下がったとき、買い増すのか、持ち続けるのか、売るのか。その判断ができなくなります。

やってはいけないこと1:SNSで有名という理由だけで買う

SNSで繰り返し目にする銘柄は、詳しく調査したような感覚になりやすいものです。しかし、名前を知っていることと、事業を理解していることは別です。

SNSの投稿には、次の情報が欠けている場合があります。

  • 投稿者の購入価格と保有期間
  • ポートフォリオ全体に占める比率
  • 損失を許容できる金額
  • 売却条件
  • 広告・紹介報酬・保有ポジションとの関係

さらに注意したいのは、発信者と読者の利害が一致するとは限らないことです。発信者がすでに保有している銘柄への買いを促している可能性もあれば、反対に売却・空売りなどのポジションを持ち、下落を期待して否定的な情報を広めている可能性もあります。

もちろん、SNS上のすべての発信に意図的な誘導があるわけではありません。しかし、発信者の保有状況や目的を読者側から確認できない以上、流行していること自体を投資判断の根拠にはできません。

あら。
誰かが強く勧めている銘柄を見たら、まず「この人はすでに保有していて、他の人にも買ってほしい立場ではないか」と考えます。逆も同じです。強く否定している人が、下落によって利益を得る立場かもしれません。

発信内容の正しさと、発信者の利害は分けて見ます。SNSで流行っているという事実は、調べるきっかけにはなります。ただし、購入理由にはしません。

有名な銘柄を調査の入口にすることはできます。ただし、投稿を見たことを購入理由にはしません。

購入前に「この会社は何で利益を出しているか」「競合より優れている点は何か」「どの条件で売るか」を自分の言葉で説明できるか確認します。

やってはいけないこと2:高配当・株主優待だけで選ぶ

高い配当利回りや株主優待は魅力的ですが、それだけでは長期投資に適した会社か判断できません。

配当利回りは、配当額が増えなくても株価が下がれば高く表示されます。業績が悪化すれば、減配や無配になる可能性もあります。株主優待も企業の判断で変更・廃止されます。

確認したいのは、配当や優待の裏側にある事業です。

  • 本業が継続的に利益を出しているか
  • 配当性向に余裕があるか
  • 借入や資産売却で配当を維持していないか
  • 優待がなくても保有したい会社か

高配当株の確認項目は「高配当株ポートフォリオの組み方」で整理しています。

やってはいけないこと3:知らない商品へ大きな金額を入れる

投資商品は、期待リターンだけでなく、どの程度下落する可能性があるかを確認して選びます。

私はレバナス(NASDAQ100指数へのレバレッジ型投資信託)を保有し、値動きの大きさに耐えられず損切りした経験があります。その後まで持ち続けていれば大きな利益になりましたが、それは結果論です。

問題は売却したことではなく、損失が膨らんだときに保有を続けられない金額と商品を選んでいたことでした。

レバレッジ型商品は、指数の日々の値動きに一定倍率をかけた成果を目指す商品です。複数日にわたるリターンが単純に指数の倍率になるとは限らず、上下動が続く相場では基準価額が押し下げられる場合があります。

購入前に次の質問へ答えます。

  • 30%下落しても保有を続けられるか
  • 50%下落した場合、生活や睡眠に影響しないか
  • なぜこの商品を買うのか説明できるか
  • 想定と違った場合の売却条件は何か

答えられない商品には、大きな金額を入れません。

やってはいけないこと4:細かな売買を繰り返す

私は細かく売買した結果、「もう少し持っていれば、もっと利益が出ていた」という経験を何度もしました。

利益確定そのものが失敗とは限りません。しかし、購入時に保有期間や売却条件を決めず、少し上がったから売る、少し下がったから買い直す、という判断を続けると、長期的な成長を取り逃しやすくなります。

NISAでは売却益が非課税ですが、売却してもその年の年間投資枠は復活しません。売却商品の取得金額分の生涯非課税保有限度額は翌年以降に再利用できますが、年間上限の範囲内です。

NISAで個別株を買うなら、短期的な値動きではなく、長期保有できる銘柄へ使う方針が制度と合います。

売却前には、次のどれに該当するか確認します。

  1. 購入時の投資仮説が崩れた
  2. 事業や財務状況が悪化した
  3. ポートフォリオ内の比率が大きくなりすぎた
  4. 近い将来に現金が必要になった
  5. 株価を見て不安になっただけ

5番目だけなら、その場で売買せず、購入理由を読み返します。

やってはいけないこと5:下落を理由に積立を止める

私は相場下落時にも投資信託の積立を停止せず、継続してきました。

積立投資は、毎月決めた金額を自動で購入する仕組みです。下落時だけ止めると、安い価格で買う機会も止めることになります。

ただし、生活費や生活防衛資金が不足した場合は、相場に関係なく家計を優先します。積立を継続する条件は、近いうちに必要な資金を確保できていることです。

重要なのは「下落しても必ず積み立てる」ことではなく、相場の感情ではなく家計の条件で積立額を決めることです。

株価を見ること自体は悪くない

投資開始直後、私はほぼ毎日株価を確認していました。現在も比較的頻繁に市場を見ています。

ただし、見る目的が変わりました。

現在は、保有銘柄が上がったか下がったかを確認するためではなく、ウォッチリストに入れている銘柄が調査したい価格まで下がったかを見るために確認しています。保有銘柄の日々の値動きは、ほとんど気にしていません。

株価を見ることが問題なのではありません。価格を見るたびに売買したくなる状態が問題です。

初心者向けの確認頻度

対象 確認する内容 頻度の目安
投資信託の積立 正しい口座・商品・金額で買付されたか 月1回
個別株 決算・重要な適時開示 決算期・発表時
ウォッチリスト 購入条件に近づいたか 自分のルールに合わせる
日々の評価損益 原則として売買理由にしない 必要時のみ

NISAで買う前のチェックリスト

  • SNSで有名という理由だけで選んでいない
  • 高配当・株主優待以外の購入理由がある
  • 会社の事業と利益の源泉を説明できる
  • 同業他社と時価総額・利益率・成長率を比較した
  • 大きく下落しても生活に影響しない金額である
  • 売却条件を購入前に決めた
  • 長期保有する理由がある
  • まず投資信託の積立を継続できている

一つでも答えられない場合は、購入を急がず、投資信託の積立を続けながら調査します。

まとめ

  • 初心者が最初から個別株を買うと、比較基準がないため良し悪しを判断しにくい
  • SNSで有名、高配当、株主優待という理由だけで購入しない
  • レバレッジ商品など、下落に耐えられない商品・金額を選ばない
  • 細かな売買は、長期的な成長を取り逃す原因になり得る
  • NISAは短期売買より、長期保有を前提とした商品に使う
  • 積立額は相場ではなく家計条件で決める
  • 株価を見る目的と、売買する条件を分ける
あら。
細かな売買で利益を早く確定し、その後の上昇を取り逃したことは何度もあります。レバナスでは、損失の大きさに耐えられず売却しました。

だからといって、「売らずに耐えればよい」とは考えていません。大事なのは、保有し続けられない商品や金額を最初から選ばないことです。

初心者は、まず投資信託で値動きと積立を経験する。その間に複数の企業を見比べ、比較基準を作る。個別株を買うのは、それからで十分です。

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