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NISA成長投資枠で買う銘柄の選び方

2026年5月18日更新: 2026年6月11日10 min read
本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

結論:S&P500かオルカンでOK

迷う場合、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)やeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、有力な選択肢です。

これが結論です。以下はその根拠を整理します。

新NISA成長投資枠とは

新NISAには2種類の投資枠があります。

投資枠 年間上限 特徴
積立投資枠 120万円(月10万円) 投資信託の積立専用
成長投資枠 240万円 株式・ETF・投資信託など幅広く対応

成長投資枠は積立投資枠の2倍の枠があり、個別株やETFも購入できます。積立投資枠と併用することで年間最大360万円、生涯では1,800万円まで非課税で運用できます。

課税の仕組み:何が非課税で何がそうでないか

新NISA口座内の運用益は非課税になりますが、投資対象によって外国での課税が残る場合があります。

投資対象 日本の課税 外国の課税
日本株(配当金) 非課税 ✅ なし
米国株・ETF(配当金) 非課税 ✅ 米国10%が残る ⚠️
無分配型投資信託(eMAXIS Slim等) 非課税 ✅ ファンド内で外国税が発生する場合あり

日本株の配当金

新NISA口座内であれば、日本株の配当金は完全に非課税になります。ただし、非課税で受け取るには証券口座の受取方式を**「株式数比例配分方式」に設定する**必要があります。他の方式(配当金領収証方式など)を選んでいると課税されてしまいます。

米国株・米国ETFの配当金

米国株やVOOのような米国ETFを新NISA口座で保有した場合、日本の課税は免除されますが米国側での10%源泉徴収は残ります

通常の課税口座であれば確定申告で外国税額控除を申請し二重課税を回避できますが、新NISA口座では外国税額控除が使えないため、米国10%はそのままコストになります。

無分配型投資信託(eMAXIS Slim等)

eMAXIS Slim S&P500やオルカンのような無分配型の投資信託の場合、ファンド内部で配当が再投資されるため、投資家レベルでは配当金の受け取りが発生しません。結果として、課税という概念自体が生じない構造になっています。

投資信託がNISA枠を最も効率よく使える理由

これがインデックス投資信託を成長投資枠に使う最大のメリットです。

個別株・ETFの場合

配当金受け取り → 再投資したい → NISA枠を新たに消費

個別株(日本株・米国株)やETFから配当金を受け取り、それを再投資するには新たなNISA投資枠を使うことになります。年間の投資枠には上限があるため、配当金の再投資で枠が減っていく点は見落とされがちです。

無分配型投資信託の場合

ファンド内部で自動再投資 → NISA枠の消費なし

eMAXIS Slimのような無分配型投資信託では、配当金がファンド内で自動的に再投資されます。投資家はNISA枠を追加で使うことなく複利の恩恵を受け続けられます。

この差は5年・10年と時間が経つほど大きくなります。さらに重要な点として、生涯非課税枠(1,800万円)を使いきった後も、投資信託の内部再投資は引き続きNISA口座内で非課税のまま複利が積み上がり続けます。 枠が満額になった後でも、ファンドの中では配当が自動で再投資され続けるからです。

一方、個別株は生涯枠が埋まった後に受け取る配当金を再投資しようとすると、NISA外の特定口座(課税口座)で買い付けるしかなくなります。この差は運用期間が長くなるほど、複利として積み上がっていきます。

「日本株の方が有利」は本当か

「新NISAでは日本株の配当が完全非課税になるので日本株投資の方がお得」という意見があります。一見もっともらしいですが、比較する際は課税後のトータルパフォーマンスで判断する必要があります。

比較すべきは配当利回りではなくトータルリターン

高配当株への投資を評価するには、配当金だけでなく株価の値上がり益を含めたトータルリターンで比較しなければなりません。

実際に日経平均採用銘柄3社とS&P500の5年間(2020年4月〜2025年3月)のトータルリターンを比較してみます。

銘柄 株価上昇率 配当累計 トータルリターン
三菱UFJ(8306) +239% ¥151(対初値+23%) 約+262%
トヨタ自動車(7203) +119% ¥257(対初値+15%) 約+134%
KDDI(9433) +54% ¥635(対初値+37%) 約+91%
S&P500(円建て配当込み) 約+134%

※ 新NISA口座想定(日本株配当は非課税)。トヨタは2021年10月の株式分割(1→5)調整後。株価は各期初値を使用。S&P500は5年年率+18.5%(円建て)から算出。

この比較から読み取れることが2点あります。

1. 三菱UFJは大幅にS&P500を上回った——ただしこれは日銀の金利正常化という特定の追い風があったためです。銀行株は利上げで恩恵を受けやすい業種であり、今後も同じ環境が続く保証はありません。

2. KDDIは配当利回りが高くても累積リターンでS&P500を大幅に下回った——高配当株への投資は「利回りが高い=お得」ではなく、株価の伸びを含めたトータルで判断することが不可欠です。

配当非課税のメリットだけに注目せず、課税後の配当込みトータルリターンで比較しましょう。

NISA枠効率も含めて考える

前述の通り、高配当株の配当金を再投資するたびにNISA枠が消費されます。投資信託であれば枠の消費なく複利が積み上がる点も踏まえると、NISA枠の使い方としては無分配型の投資信託に軍配が上がります

成長投資枠の使い方:個人的な方針

私の場合の活用方針を共有します。

  • 積立投資枠(月10万円):eMAXIS Slim S&P500またはオルカンを毎月自動積立
  • 成長投資枠:個別株(商社株等)と投資信託を組み合わせ。パフォーマンスも配当も狙える銘柄にはNISA枠を積極的に活用

成長投資枠を投資信託一本で積み上げるのも、シンプルで非常に合理的な選択です。どちらを選ぶかより、枠を余らせず継続することの方が重要です。

まとめ

  • 成長投資枠の結論はS&P500かオルカンの投資信託
  • 日本株の配当非課税は魅力だが、トータルリターンで比較すること
  • 米国株・ETFは米国10%課税が残る。外国税額控除も新NISAでは使えない
  • 無分配型投資信託はNISA枠を消費せず内部再投資が続く。これが長期で最も効率的
  • 個別株への投資は成長投資枠を活用しつつ、投資信託との組み合わせが現実的
あら。
成長投資枠は「個別株を買うための枠」と捉えがちですが、S&P500などの無分配型インデックスファンドで埋めてしまうのも十分合理的な選択です。配当が出るたびにNISA枠が消費されていく構造を考えると、再投資を枠内で完結できる無分配型の方が、長期的には税効率が高くなります。

参考リファレンス


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