生活防衛資金はいくら必要か — 50万円から始めた私の決め方
この記事で分かること
生活防衛資金に一律の正解はありません。社会人1年目に50万円を用意して投資を再開した経験から、固定費・雇用・家族構成・公的保障を使って必要額を決める手順を解説します。
この記事の目次
結論:月数ではなく「収入が止まったときの不足額」で決める
生活防衛資金は、病気、失業、家電の故障など、予定外の支出や収入減に備える現金です。
「生活費の3か月分」「6か月分」という目安は出発点にはなりますが、全員に当てはまる正解ではありません。必要額は、毎月の最低支出、収入の安定性、扶養家族の有無、利用できる公的保障によって変わります。
私が社会人1年目に投資を再開したときは、まず50万円を現金で用意しました。実家に頼れるか、会社員として毎月の給与があるかを考えたうえで、当時の自分が安心して投資を続けられる金額として決めたものです。
必要額を決める4つの質問
1. 生活を維持する最低支出はいくらか
普段の生活費ではなく、収入が止まったときにも必要な支出を合計します。
- 家賃・住宅ローン
- 水道光熱費・通信費
- 食費
- 保険料・税金
- ローンや奨学金の返済
- 家族の生活費・教育費
旅行や趣味など一時的に止められる支出は分けて考えます。最低支出が月15万円なら、3か月分は45万円、6か月分は90万円です。
2. 収入はどの程度安定しているか
会社員でも、転職直後、歩合給の比率が高い仕事、休職リスクが高い状況では多めの現金が必要です。フリーランスや個人事業主は売上の変動が大きく、会社員より長い期間を想定する方が無理がありません。
共働きで片方の収入だけでも最低支出を賄える世帯と、一人の収入に依存する世帯でも必要額は変わります。
3. 公的保障をいつから、いくら受け取れるか
健康保険に加入する会社員が業務外の病気やけがで働けない場合、要件を満たせば傷病手当金の対象になります。支給額はおおむね標準報酬日額の3分の2で、支給期間は通算1年6か月です。
ただし、申請から入金までの時間、待期期間、対象外となるケースがあります。失業等給付も離職理由や加入期間によって条件が異なります。制度があることと、今月の支払いに使える現金があることは別です。
制度の見込み額を差し引く場合も、最初の数か月を自力で払える現金は残します。
4. 近い将来に大きな支出がないか
引っ越し、車検、出産、進学、住宅購入など、数年以内に使う予定のお金は生活防衛資金とは別に確保します。使う時期が決まっている資金を株式で運用すると、必要なときに相場が下がっている可能性があります。
株式は生活防衛資金の代わりになるか
私は必要に応じて保有資産を売る選択肢も持っています。ただし、これは現金の完全な代わりにはなりません。
失業や景気後退は、株価下落と同時に起こることがあります。収入が止まり、含み損のある資産を売らなければならない状況は避けたいところです。売却から出金までに時間がかかる点や、NISA外では利益に税金がかかる点も考慮します。
そのため、生活防衛資金は普通預金など、元本の値動きがなく、すぐ引き出せる場所に置くのが基本です。
現金を貯めるまで投資を待つべきか
「6か月分が貯まるまで何も投資しない」と決める必要はありません。家計が黒字で、当面の支払いに問題がないなら、現金を増やしながら月1,000円だけ積み立てる方法があります。
- まず次の給料日までの支払いと、突発的な小口支出に対応できる現金を作る
- 月1,000円など、生活に影響しない金額でNISA積立を動かす
- 目標とする生活防衛資金まで現金を優先して積み増す
- 目標に達した後、積立額を段階的に増やす
少額投資の目的は、生活防衛資金を削ってリターンを狙うことではなく、口座や値動きに慣れることです。借入金がある、毎月赤字になる、近い将来に現金が必要な場合は、投資より家計の立て直しを優先します。
口座を分けるかは管理しやすさで決める
生活防衛資金を専用口座に分けると、日常の支出に使い込むのを防ぎやすくなります。一方、口座が増えると残高確認やログイン管理の手間も増えます。
私はGoogleスプレッドシートで銀行と証券口座を毎月まとめて確認しているため、必ずしも専用口座でなくても管理できます。重要なのは口座数ではなく、生活防衛資金がいくらあり、日常用の現金と混ざっていないかを把握できることです。
私の基準と、読者の基準は同じではない
現在の私は、会社員としての継続収入と売却可能な資産があるため、手元現金を少なめにしています。相場が下がれば追加投資したいと考えるタイプでもあります。
しかし、これは私の雇用、支出、家族状況、リスク許容度を前提にした判断です。相場下落時に売却する可能性を考えるだけで不安になるなら、現金を多めに持つ方が投資を継続しやすくなります。生活防衛資金の役割は、期待リターンを上げることではなく、投資を途中でやめなくて済む状態を作ることです。
まとめ
- 生活防衛資金は一律の月数ではなく、最低支出と収入停止時の不足額から決める
- 雇用、扶養家族、公的保障、近い将来の支出によって必要額は変わる
- 社会保障は重要だが、入金までの時間と適用条件を見込む
- 株式は下落時に売る可能性があるため、現金の完全な代わりにはしない
- 現金を増やしながら、生活に影響しない1,000円から積立を始める方法もある
- 私は社会人1年目に50万円を用意してから投資を再開した
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