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株式にゴールド・仮想通貨を加える理由 — 債券より「希少性」を選ぶ

執筆: ara更新: 10 min read

この記事で分かること

債券への懐疑論と、ゴールド・仮想通貨をポートフォリオに組み入れる根拠を整理します。株式約90%・金3%・仮想通貨5%という構成を選ぶ理由とは。

この記事の目次
  1. 1.「株式100%でいいのか」という問い
  2. 2.債券をポートフォリオに入れない理由
  3. 3.ゴールドを持つ理由 — 埋蔵量の有限性
  4. 4.仮想通貨を持つ理由 — 発行枚数の設計された有限性
  5. 5.純金積立を選ぶ理由 — 譲渡所得の特別控除を確認する
  6. 6.私の実際の配分
  7. 7.まとめ
  8. 8.参考リファレンス

「株式100%でいいのか」という問い

S&P500への長期積立は、シンプルで強力な戦略です。ではゴールドや仮想通貨を一部持つ理由は何か。そして債券は必要か。

結論から言うと、私のポートフォリオは株式約90%・ゴールド3%・仮想通貨5%・現金2%で、債券はゼロです。

積立フェーズにある投資家にとって、事業が生み出すキャッシュフローに投資する株式こそが最も合理的な資産です。その考えを変えるつもりはありません。ただし、株式とは異なる理由で一部ゴールドと仮想通貨を持っています。


債券をポートフォリオに入れない理由

債券は一般的に「守りの資産」として紹介されます。しかし積極的には選ばない理由があります。

事業に投資するなら、株式の方が合理的です。

企業は成長のために債券を発行して資金を調達します。その資金を元手に事業を拡大し、利益を生み出す——その利益の受益者は株主です。同じ会社に投資するなら、債券保有者(利息を受け取る側)より株主(利益を受け取る側)の方が期待リターンは高くなります。

固定利付債は、予想を上回るインフレで実質利回りが低下します。

物価上昇率が債券の名目利回りを上回れば、利息と償還金の購買力は目減りします。ただし、債券発行や中央銀行の資産買い入れだけでインフレが決まるわけではありません。需要、供給制約、賃金、財政・金融政策など複数の要因が関わるため、ここでは「インフレを起こす資産」ではなく、インフレ率によって実質リターンが変わる資産として評価します。

長期で見たとき、株式の実質リターンは債券を大きく上回ってきました。守りを固めるためにリターンを犠牲にする判断は、十分な積立期間がある投資家には割に合いません。

債券が有効な局面はあります。金利が高い時期に長期国債を購入してキャピタルゲインを狙う、あるいはFIRE後の取り崩しフェーズで暴落のバッファーが必要な時期です。ただし現役世代の積立フェーズでは優先順位は低いと考えています。


ゴールドを持つ理由 — 埋蔵量の有限性

ゴールドは配当も利息も生みません。事業も持っていません。それでも3%ほど持つ理由は供給量が物理的に制限されているからです。

法定通貨は中央銀行が無制限に発行できます。株式も新株発行によって数は増えます。しかしゴールドの埋蔵量は有限で、年間の採掘量も世界の総在庫の約1〜2%に限られます。

インフレが起きると、モノの実質的な価値は同じでも全体的な価格水準が押し上げられます。 供給が増やせない資産は、そのタイミングで相対的な価値が上がりやすい。ゴールドをインフレヘッジとして保有するのはこの論理です。

また、価格と価値の乖離(急騰・急落)が起きやすい局面でも、希少性を根拠に持ち続けることができます。持っている理由が明確であれば、値動きに振り回されにくくなります。


仮想通貨を持つ理由 — 発行枚数の設計された有限性

ゴールドと同じ「希少性」の論理ですが、仮想通貨——特にBitcoin——は発行枚数が2,100万枚と設計段階から固定されています。

さらに、約4年ごとに新規発行量が半減する「半減期」の仕組みにより、年々流通量の増加ペースが鈍化します。 需要が一定でも供給増加が抑制されれば、価格には上昇圧力がかかります。

ゴールドは採掘技術の進歩で供給が増える余地があります。一方、Bitcoinは現在の合意ルール上、発行上限が2,100万枚に設定されています。ルール変更にはネットワーク参加者の広範な合意が必要であり、供給方針を変更しにくい点が特徴です(詳しくはBTCの記事を参照)。

資産 供給の有限性 インカムゲイン 価格変動
株式(S&P500) なし(新株発行あり) あり(配当)
債券 なし(発行増あり) あり(利息) 低〜中
ゴールド 高い(採掘量は限定的) なし
Bitcoin 最も高い(2,100万枚固定) 実質なし

純金積立を選ぶ理由 — 譲渡所得の特別控除を確認する

ゴールドへの投資手段はいくつかあります。金ETF(例:東証上場の1540 純金上場信託)か、証券会社・田中貴金属などが提供する純金積立かが主な選択肢です。

私が純金積立を使っている理由は、日本の税制上の優遇があるからです。

金地金の売却益は、原則として譲渡所得として扱われます。譲渡所得の計算では、取得費や売却費用を差し引いたうえで、他の総合課税の譲渡所得と合算して年間最大50万円の特別控除を適用します。所有期間が5年を超える場合は、控除後の金額の2分の1が課税対象です。

一方、金ETFの売却益は**申告分離課税(約20.315%)**が適用されます(NISA口座内であれば非課税)。

保有方法 課税区分 非課税枠
純金積立 原則として譲渡所得 他の対象となる譲渡所得と合算して年間最大50万円の特別控除
金ETF(特定口座) 申告分離課税 約20.315%課税
金ETF(NISA口座) 非課税 NISA枠の範囲内で非課税

ゴールドへの投資額が比較的小さい場合、特別控除を利用できる可能性があります。NISA枠は株式や投資信託に使いたいという判断もあり、私はゴールドを純金積立で運用しています。

税務上の取扱いは、売買の頻度・所有期間・他の譲渡所得などで変わります。申告時は国税庁の案内または税理士へ確認してください。


私の実際の配分

以下はPortfolioと同じ、2026年5月31日時点の資産配分です。日々の値動きによる変化は反映していません。

資産 比率 内容
日本株 57% 商社・銀行・保険・金融・不動産・AI(個別株)
S&P500 24% eMAXIS Slim S&P500(月次積立)
米国株 9% 個別株
仮想通貨 5% BTC・DeFi
ゴールド 3% 純金積立
現金 2% 待機資金・生活防衛資金

株式が合計90%を占め、ゴールドと仮想通貨は合わせて8%です。メインは株式、希少性資産はあくまでサブポジションという位置づけです。


まとめ

  • 株式は事業が生み出すキャッシュフローへの投資。長期リターンで他の資産クラスを上回る
  • 固定利付債は、予想を上回るインフレで実質利回りが下がる。私の積立フェーズでは優先度が低い
  • ゴールドは埋蔵量が有限。インフレ局面での価値保全と、価格急騰を待つ希少性投資として3%保有
  • Bitcoinは現在の合意ルール上、発行上限2,100万枚 + 半減期で供給ペースが低下。供給方針を変更しにくい設計を持つ
  • サブポジション(ゴールド+仮想通貨)は全体の8%程度に抑え、株式の複利成長をメインエンジンとして維持する
あら。
ゴールドの積み立てを始めたのは、インフレヘッジと当時の素材高が重なったタイミングです。上昇トレンドに乗る形で入り、現在も含み益があります。ただ、中東情勢の悪化でゴールドの現金化が加速したときは予想外でした——「有事の金」が売られる局面があることを実感しました。

今は積み立てを止めて保有しています。私が利用する商品は保管中の管理手数料がかからない契約ですが、購入手数料、売却・引出し条件は事業者や商品によって異なり、条件改定もあり得ます。長期的にゴールドはまだ上がると考えていますが、それは個人的な見通しです。事業の成長が経済の根幹にある以上、まず株式への投資を優先するというのが今のスタンスです。


参考リファレンス


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